国際地域創造学部経済学プログラムの星野 高徳教授(日本経済史)が、廃棄物資源循環学会「著作賞」を受賞しました。表彰式、受賞講演会は、2025年5月30日に川崎市産業振興会館で行われました。?
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<廃棄物資源循環学会「著作賞」とは>
廃棄物資源循環に関する専門分野について、著作の発表により、当該学術、技術の進歩発展に顕著な功績があった者に贈られる賞です。
(廃棄物資源循環学会HPより)?
参考:廃棄物資源循環学会HP(著作賞)
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<授賞理由>
本書は東京市、大阪市、名古屋市の屎尿処理政策を検討することにより、財政面の制約や利害関係者の動向に配慮しながら、衛生環境の改善が図られた過程について考察しており、近現代日本の屎尿処理、下水道整備の過程を多面的に描いている。都市の衛生問題だけではなく、農村の肥料問題にも焦点を当て、各都市がいかに衛生的で、効率的な処理方法を模索したのかを明らかにしている。豊富な行政資料、各府県の農会資料に基づき、日本の屎尿処理がたどってきた歴史を明らかにするとともに、汲取処理から浄化槽、公共下水道による処理へと変化した過程を示すことにより、新興国や開発途上国の屎尿処理を考える際にも重要な事例を提示している。?
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<受賞者のコメント>
廃棄物資源循環学会「著作賞」を受賞し、大変光栄に思います。受賞書籍『屎尿処理の近現代史――汲取から下水処理への転換』は、戦前から戦後の東京、大阪、名古屋の屎尿処理政策についてまとめたものです。大学院生の頃から廃棄物資源循環学会のごみ文化?歴史研究部会に参加し、戦前の農村還元処分、戦後の海洋投棄などについてご教授いただく機会に恵まれました。今後は地方都市や海外の事例にも研究対象を広げながら、上下水道などの都市のインフラ整備に関する調査を続けていきたいと思います。?
表彰式の様子(右:星野 高徳 教授)